三十路になった発達障害児の心に浮かぶよしなしごと

ADHDとASDを脳内に引っさげて今日もブレーキのないまま止まるかぶつかるまでアクセルを全開にするんだ。


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【ネタバレ満載】ドラゴンクエストユアストーリー世界の技術的考察

というわけで有言実行してしまった第二弾。

今回もネタバレネタバレアーンドネタバレでお送りしますので!

きっちり未視聴かつネタバレ防止勢の皆さんは回避してくださいね!!

 ちなみに前回(昨日)の視聴直後感想はこちら。

burnup-adhd.hatenablog.comというわけでここからは、見たという前提でお話いたします。

 

ドラゴンクエストユアストーリーは、ラスト間際のオチで「この世界がドラゴンクエストⅤ」をリメイクしたVRゲームであるということが示唆されます。

ここではこのオチについての賛否両論ではなく、「VRゲームとしての技術的考察」と、それにまつわる世界観考察について語っていきたいと思います。

 

まず、ゲーム機体を見てみましょう。

係員が設定を行っていることから、まず家庭用ゲーム機ではなくゲームセンターなどに設置して制御されることを想定したシステムですね。この辺りはまさしく大規模なゲームセンターに進出してきた最近のVR体験に近いものがあるかもしれません。

しかし、ゲームプレイ時間はゲーム内の会話からして『数時間(ただし子供時代スキップで)』とのことでしたので、かなり回転率の悪いものではあります。

なので既存のゲームセンターではなく、VRゲーム専用の施設であると考えるのが自然かもしれません。

 

プレイヤーが配置される空間は密閉できるようになっていることから、視覚・聴覚・触覚・嗅覚などの刺激によって没入感を高めるタイプかと思いましたが、記憶に対してリミッターをかけたり、幼少期の記憶の刷り込みを行っていることから、脳に対して直接アプローチを掛けていることは確かですし、そうなると感覚刺激についても脳に電気信号を送るなどで直接起こしていると考える方が適切かもしれません。

この辺りは舞台となった時代の脳科学の進歩と、その実用化の度合いによるとは思います。少なくとも記憶への一時的な干渉が可能であるのは事実。それは電気的刺激か、それとも催眠的な導入か、その複合かはわかりませんが、おそらくは脳に対して「ある程度意図を持ってアプローチすることが可能」なだけの技術が実用段階にあると考えていいはずです。

しかしそうなると、子供時代にスーパーファミコンドラクエⅤを遊んでいた人がサラリーマンとして働いているうちに、技術が実用化するとは思えないんですよね。

脳機能なんてどこが何を司ってるかようやくわかったようで、いややっぱ全然わかんねぇ!みたいな状況らしいですからね。

解剖したときには全機能を喪失している臓器だからなぁ、研究も大変だ……。

 

で。

おそらくは、五感についても電気信号など脳への直接の刺激によって擬似的に感覚を与えていると思います。

ぶっちゃけ脳に干渉できる技術ができるなら、ブース内にかなりの再現度で仮想現実作れると思うんですよ。内側全体をモニターにして全方位に風景を表示し、草木の流れに合わせて同じ方向に風と自然の香りを発生させ、音も複数のスピーカーによってどの方向から聞こえるかを調整する。

ただ、そうなると映像の補完に使うにしてもゴーグルが割と邪魔ですし、アイテムの手触りとか食事の味とか、そういったところは再現不能です。

なのでプレイヤーはブースの椅子にでも腰掛けたままで、直接的に脳に刺激を与えてストーリー含めた世界情報を「流し込んでいる」状態だと思います。

 

しかしそうなると、「自分の選択」だと思ったものが、単なる「ストーリー上では一本道」であるかもしれないんですよね。

その可能性が一番高いのが、フローラ・ビアンカの部分だと思います。

既に「ビアンカルートしかなかったのでは」と言っている人がいますが、その可能性はあると思います。情報量的に手間が大きすぎたのかもしれませんが、いやうん、でも、劣化してるじゃん……嫁を選べるのがドラクエⅤの一番のアピールポイントだぞ……DS版なんてデボラまで増えてるんだぞ……ところでDS版はやってないけどデボラが性癖に突き刺さりそうで怖いたどっちです。

 

閑話休題

まず、このシステムについて怖い点は2つほど挙げられるでしょうか。

1つは、これがいわゆる自由な行動ができる「VRバーチャルリアリティ」ではなく、単に五感で追体験できるストーリーをなぞっているだけ、という可能性です。それも、自分の選択だと思い込まされながら。

もしそうだとすると、もはやこのVRゲームと名乗るものは「ゲーム」ではありません。単なる映像作品の亜種でしかないのです。

いくら一本道であれ、ゲームをゲームたらしめる要素は「プレイヤーの選択による成功・失敗の要素がある」ということです。ドラクエシリーズで言えば、行動自体の自由度が低いシステムであっても、戦闘についてはプレイヤーの手に委ねられていたわけです。主人公であれば完全に、他のキャラクターについても作戦を指示できる程度には。

確かそういう「プレイヤーの選択がないものをゲームとすべきか」ってとこが議論されたからこそ、アドベンチャーゲームビジュアルノベルがジャンルとして分離されたはずだし。……確か。

 

記憶に対して干渉できるということは、逆に映像作品であってすらも「この選択は自分の意志で行ったものである」という記憶を植え付けることが可能でもあります。

じゃあそれRPGじゃなくてもうビジュアルノベルじゃん。

それこそ元祖ドラクエのように戦闘だけはプレイヤー判断という可能性もありますが、多分「異なる戦闘展開を作ること」とか「自由に動ける戦闘フィールドを作る」っていうのは、絶対に物凄くコストが高いんですよね。そこに特化したシステムだという可能性も一応、一応!あるけど!

それだったらもう、フローラ嫁のルート作れるじゃん……と思うわけであります。ストーリー的に分けなきゃいけない部分はそんなに多くないし。

なお「戦闘部分で必要なグラフィックが増えるから」と言われるとぐうの音も出なくなんですけど、もはや結局どこまでプレイヤーによる選択要素があるのか、これ下手するとプレイした人すらわからないやつですよね。それはそれでやばいな、技術の悪用が捗る。

 

さて、次に「じゃあなんでこのシステムがウィルスに感染したのか」ですね。

そもそもこのシステム、インターネット繋ぐ必要がないんですよ。プレイヤー1人用のゲームであってソーシャルゲームとかMMORPGとかの要素は全くないわけですし。

じゃあどこでウィルスが混入したのかと考えると、

 

・製造段階

・アップデート段階

・ゲーム施設のネットワーク管理が雑だった

 

あたりになっちゃうんですよね。

てかこのシステムにウィルス混入させられるの、どう考えてもやばすぎると思うんですよ。

記憶に干渉できるシステムにコンピュータウィルスが混入するってことは、悪意によって他人の脳に刷り込みができるってことなんですよ。

はっきり言ってゲームシステムに潜入して嫌がらせするだけのウィルスで良かったよね……って思うくらいにはやばい案件です。どう考えても法規制されてるし、いっそのことゲーム会社とかゲーム施設とかが捜査対象になって賠償責任とかいろいろ起きるくらいのやつだと思います。

プログラミング1つでいわゆる洗脳ものR18みたいなことができちゃう世界なんだぞ……入り込まれたときの危険性は現代の個人情報の比ではないですし、個人情報を大規模に扱うような会社はそこそこしっかり管理してることを考えると、このシステムにウィルスが混入できる地点でめっちゃくちゃ雑としか言いようがありません。

更に言うとここまで雑であることに、リアリティがないですよね。

 

むしろこれは「ミルドラースはウィルスであり、ラスボス戦は『そういうイベント』として組まれている」ということすら考えられますからね。

ドラクエⅤに憎しみでもあるのか。親でも殺されたのか。

あ、パパスもマーサも殺されてますね……しまった。親殺されてた。

 

というわけでまぁ、なんというか、結局オチを受け入れたとしてもストーリー的に雑なものになってしまうんだよなぁ、という溜息をついておきたいと思います。

 

あとスーパーファミコンの新品のカセットには!

息を!吹き掛けないからなーーー!!

ちなみに息を吹きかけるのは普通によくないらしいのでご注意下さいね☆

 

という考察回でした!

次回は札幌で発達障害オフ会に参加させてもらった感想とかちゃんと明るいテーマが書きたいです!!